目次
そもそもワンルームマンションとは?
不動産投資の初心者の方のために、投資の種類を紹介していきます。まず、どんな形で不動産物件を所有するかによって、大きく分けて3つの種類があります。
- 区分マンション(ワンルームマンション・ファミリータイプ)物件
- 一棟(マンション丸ごと一棟・アパート丸ごと一棟)物件
- 戸建て物件
区分マンションとは、マンションの中にある1室単位で物件を所有して賃貸経営をすることです。
この区分マンションをさらに分類すると、「ワンルームマンション」や「ファミリータイプマンション」に分けることができます。一棟物件はそれに対してマンション丸ごと一棟、もしくはアパートを丸ごと一棟所有する投資形態です。そして、戸建て物件は、戸建て住宅に対する投資のことです。
ある意味では戸建て住宅も一棟ものと言えますが、戸建て住宅の場合は一戸一世帯が基本です。最近では複数の住人が共有するシェアハウスという形態も広がりを見せているので戸建て物件投資もそれに応じて変化してきています。下記の表をご覧ください。
一棟所有物件 | 区分所有物件 | その他 | ||
---|---|---|---|---|
マンション一棟 | ワンルームマンション | 戸建て | ||
アパート一棟 | ファミリータイプマンション | シェアハウス |
経営方法 | ワンルーム | アパート一棟 | マンション一棟 | 戸建て |
---|---|---|---|---|
難易度の低さ | ★★★ | ★★ | ★ | ★★ |
初期費用の安さ | ★★★ | ★★ | ★ | ★★ |
メンテナンス費用の安さ | ★★★ | ★ | ★ | ★ |
空室リスクの少なさ | ★★★ | ★★ | ★★ | ★ |
利回りの高さ | ★ | ★★ | ★★★ | ★★★ |
向いている人 | 初心者 | 中級者・土地所有者 | 上級者・土地所有者 | 土地所有者 |
ワンルームマンション投資のメリット
ワンルームマンションに投資をするメリットは何と言っても、他の種類の不動産投資と比較しても小回りが効きやすい点です。規模が小さい分、大きな出費がない上に不動産のオーナーしか受けることのできない生命保険などのサービスを受けることができるのです。
さらに具体的にどのようなメリットがあるのかについて解説していきます。
メリット①少ない資本からでも始めることができる
ワンルームマンション投資の魅力は何と言っても、少ない手持ち資金からでも始めることができる点です。先ほども説明しましたが職業や収入など、ある程度の条件を揃えば自己資金ゼロでも、フルローンで物件を購入することが可能なケースもあります。
メリット②流動性が高いため比較的簡単に売却することができる
ワンルームマンションは単価が安く、気軽に始めることができるという点から売却を検討した場合も、購入を希望する人が比較的現れやすくなっています。
赤字が続いている場合の損切りや、利益を確定したい場合にすぐ売却ができるかどうかは、不動産投資においては非常に重要です。
流動性という観点ではFXや先物などの投資と比べると、不動産投資は見劣りする点がありますが、ワンルームマンション程度の流動性があれば、売却に困るというケースは決して多くは無いでしょう。
メリット③賃貸管理の手間が少なく、会社の仕事に弊害なく投資ができる
ワンルームマンションの場合、管理は自分でせず管理会社に委託するケースがほとんどです。
管理会社は、一定額の管理費を支払うことで家賃の回収や滞納者への督促、クレーム処理など面倒な仕事は全て請け負ってくれます。
最初は会社に行きながら投資をすることになるはずなので、管理会社を使うことで本業に支障をきたすことがなくなります。
メリット④生命保険の代わりとして使うことができる
金融機関でローンを組んで不動産を購入すると、団体信用生命保険に加入することができます。
通常の死亡保障の生命保険と比較すると、ほぼ同条件にも関わらず料金は割安になっています。
契約者が死亡、あるいは高度障害状態になってしまった場合、保険金で不動産のローンの残債を相殺することが可能で、契約者や遺された遺族は安定した家賃収入を手に入れながら生活を営むことができるのです。
メリット⑤新しい入居者はファミリータイプの部屋より比較的見つかりやすい
ワンルームとファミリータイプの部屋を比較すると、ワンルームの方が入居者をすぐに見つけることが出来る傾向にあります。
なぜなら、決定権を持っている人間が単身世帯の場合1人だけだからです。3人家族や4人家族の場合は複数人で相談して家を決める場合が多いので、すぐに入居が決まらないのです。
ワンルームマンション投資のデメリット
小回りが効きやすいというメリットに対して、当然デメリットもあります。規模が小さいということは不足のトラブルが起こった際に、その影響をダイレクトに受けてしまうということです。
例えば、一棟で10部屋保有している内の一部屋で急な修繕費が10万円発生しても、ある程度規模があるので決して大きなダメージになることはありませんが、これが区分で1部屋しか所有していない場合はどうでしょうか?1部屋分の家賃収入しか無い状態で10万円の支払いが発生してしまうのは結構な痛手になってしまうでしょう。
このように規模が小さい故のリスクも存在するのです。ここではそのようなデメリットについての解説をしていきます。
デメリット①投資金額が小さいため、リターンも小さい
区分のワンルームマンションは価格が安いですが、その分家賃収入も大きくはありません。結果として大きなリスクは無いものの、大きなリターンを得ることも難しいのです。
お小遣い程度の感覚でよければ十分な収入を得ることができますが、さらに収益の規模を拡大して行きたいということであれば、投資金額をより大きくして資産を拡大していく必要性があります。
デメリット②土地を資産にすることができない
アパートやマンションを丸ごと購入する一棟所有の場合、購入価格が高くなる反面、建物だけでなく土地も資産としてカウントすることができるのですが、建物の中の一室を借りる区分所有の場合は価格が安い反面、購入した部屋のみしか資産としてカウントすることができません。
デメリット③退去者が出た場合収入がゼロになる
たくさん部屋を所有している場合は1部屋くらい空きが出ても大きなダメージにはなりませんが、1つしか部屋を持っていない場合は、その部屋に退去者が出てしまうと収入が一瞬でゼロになってしまいます。
全て自己資金で賄って物件を購入した場合であれば大丈夫ですが、借入れをしていた場合、収入が無くても返済自体は発生してしまいます。新しい入居者は比較的早く見つかることが多いですが、それでも2~3ヶ月分の借入金が返済できるだけのキャッシュは常に用意しておきましょう。
ワンルームマンション投資で最低限抑えておくべきリスク
ワンルームマンション投資はリスクの低い投資ですが、投資である以上もちろんリスクはあります。リスクを把握していないことが最も危険なので、最低限どういったリスクがあるのか確認をしておきましょう。
空室リスク
空き部屋が出た後に、なかなか入居者が見つからないリスクのことを指します。
空室は需要と供給のミスマッチが原因で発生します。例えば人口の少ない地方の場合は需要が少ないケースが多く、そうなると新築のマンションを建てたところで入居者が見つからないリスクは非常に高いです。
このように需要の少ないエリアの物件を購入すると、大きな空室リスクが付いて回るということは認識しておく必要があります。
家賃下落リスク
建物の老朽化によって美観が損なわれてしまった共用部分の劣化は、不動産価値を下げる原因になります。
しかし、メンテナンスを欠かさず、無料WI-FIや防犯カメラなどの設備投資を行うことで築年数が経過しても家賃と不動産価値の下落を防ぐことができます。
金利上昇リスク
不動産ローンに関しては、固定金利型と変動金利型の2種類の形態があるのですが、現在は金利が安いということで変動金利型での融資をする方が多いです。
しかし、変動金利型の場合には半年に1度金利の見直しがあるので、その時に金利が上昇してしまう可能性があります。
近年は金利に大きな変化はありませんが、万が一金利が上昇してしまった場合、返済金額が多くなってしまうリスクがあるということは念頭に入れておきましょう。
どんな人に適しているのか
ワンルームマンション投資が適しているのは、不動産投資の初心者です。
最大の理由は参入のハードルが低いことですが、それと同時に出口戦略を描きやすいということもあります。
一棟マンション物件となると購入時の価格も高くなりますし、その一方で売却時にも買い手候補が少なくなりますが、区分マンション物件であれば一般の居住目的で購入する人も対象になるので流動性が高く、売却も容易です。
ワンルームマンション投資の物件の選び方のポイント・注意点
土地があるから賃貸経営をするのではなく、戸建賃貸経営を成功させるためには以下のポイントをチェックするようにしましょう。
新築にするか中古にするかを決める
ワンルームマンション投資を始めるにあたって、新築のマンションを購入するのか、中古のマンションを購入するのかを選択する必要があります。それぞれの特徴を比較したので参考にしてください。
新築マンション
新築マンションはキレイという印象が強い事から客付きが良く、最初の入居者には困らないというメリットがあります。
しかし新築マンションは、中古よりも購入金額が高い上に、家賃は若干割高程度にしか設定することができないので利回りが低くなってしまう傾向にあります。
とはいえエアコンや水道管などの設備も新しいので、急な修繕費の発生などのアクシデントが起こる可能性は低く、購入以前にシミュレーションした通りの数値に収束しやすいという特徴があるので、新築の方が投資においては安定感があると言えるでしょう。
中古マンション
中古というと築年数が古いマンションばかりというイメージがあるかもしれませんが、新築のマンションに入居した人が1ヶ月で退去したとしても、その時点で中古という扱いになります。
中古マンションは新築と比較すると安く買うことが可能で、さらに新築と比較しても家賃が大幅に下がるということは無いので利回りが高くなりやすい傾向にあります。しかし、中古の場合は水道管の故障などによって修繕費が発生してしまう、修理をしなければ人が住めない状態になってしまうケースも稀にあるので、急な出費や収入がストップすることによる利回り低下のリスクがあります。
手元に現金が少ない状態でこういったアクシデントが起こると、借入金の返済や管理費・固定資産税の支払いに追われて金銭的に非常に厳しい状態になってしまいます。
築古の中古マンション購入を検討する場合は、そういったアクシデントが起こる確率が低い物件を選ぶためにも、可能な範囲でマンションが丁寧にメンテナンスされているかをチェックするようにしましょう。
築年数が浅めの中古マンションが美味しい
以上のことを踏まえた上で考えれば「リスクが少ない中古マンション」が最も理想的であるということがわかります。
つまり、「ほぼ新築の中古マンション」です。新築というラベルが剥がれて不動産価値が下がっているものの、家賃は大きく下げずに済み、尚且つ修理などによる急な出費が発生するリスクを抑えることができるからです。
しかし、そのような物件は人気のものが多いので見つけるのは難しいです。もしどうしても見つからないということであれば、無理をして中古のマンションを購入して失敗してしまうよりも、堅く新築の物件を購入して確実に利益を出して行く方が無難であると言えるでしょう。
利益が出る可能性が高い物件を見つける
不動産投資の初心者にはワンルームマンションが最も適しているというお話はしましたが、実際に儲かる物件と儲からない物件が存在するのも事実です。
しかしワンルームマンションへ入居する人の特徴などを把握することでハズレ物件を買わずに利益を出すことができます。ここでは利益が出やすい物件の特徴を解説します。
実質利回りが高い
ワンルームマンションに限らず、不動産投資において最も大切な数値の一つです。
物件情報には、管理費などの諸経費が計算されていない表面利回りが記載されていますが、その数値は参考程度にしかなりません。本当に大切なのは、発生した家賃収入から諸経費を引いた上で計算された実質利回りなのです。
管理費や固定資産税なども含めてシミュレーションするなど、なるべく正確な数値を出した上で、実質利回りが高いと思われる物件を選定しましょう。
地方では無く都心部の物件
地方物件は都心部と比較しても人口が少ないため、新しい入居者を見つけるのが難しい傾向にあります。
入居者が居なければ家賃収入は入ってこないので、それに伴って実質利回りが低下して、利益を出すのが難しくなってしまいます。
対して都心部の物件の場合は人口が非常に多いため、退去者が出たとしても新しい入居者がすぐに見つかる可能性が非常に高いです。失敗するリスクを極限まで下げるという意味でも、地方より都心の物件を購入するのが望ましいでしょう。
駅から徒歩10分以内の駅チカ物件
ワンルームマンションに住む人のほとんどは、通勤や通学をしている社会人や学生です。
1日のほとんどを職場や学校などの出先で過ごしているため、家に居る時間は非常に短いのです。そのため、できることなら通勤通学に便利な駅チカ物件の方が入居率も高く、空室が続きにくくなるため、結果として実質利回りが高くなりやすい傾向にあります。
ワンルームマンション投資の初期費用・管理費用
首都圏の新築ワンルームマンション1部屋の平均価格は約2,600万円~約2,700万円です。中古ワンルームマンションだと約1,300万円~1,400万円ほどになります。新築物件の約半額です。
どちらにするかは、それぞれにメリット・デメリットがありますので、色々な視点での判断が必要になります。
新築物件は、金融機関からローンを引き出しやすいです。将来の家賃収入が見込める物件だと評価されれば、「頭金がゼロ」というフルローンが組めることもあります。また、当面はリフォームや修繕の必要がありません。雨漏りや水漏れなど購入前に判明しなかった不具合を売主が負う瑕疵担保責任も10年間あるので、初心者には安心です。購入価格が高くなることがデメリットです。
ちなみに中古物件のメリットは、立地です。マンションは、立地のいい場所から順に開発されていくため、立地が良いことが多いです。初期費用は、不動産を買主から買うか、仲介会社から買うのかによって、仲介手数料がかかるのかどうかが異なります。新築物件を買う場合は不動産購入額の5%~7%程度、中古物件を購入する場合は8%~10%程度の初期費用が相場となっています。
中古物件のデメリットは、新築に比べて物件の評価が低くなるため、ローンが組みにくくなります。そのため、融資期間が短くなる可能性も高いです。 また、建物の状態を見て購入しないと、購入早々に修繕費が発生する可能性もあります。
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